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今坂 一道*; 永井 恒司*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔
Radiation Physics and Chemistry, 39(2), p.235 - 236, 1992/00
-カプロラクトン(CL)と-バレロラクトン(VL)を無触媒系で脱水重縮合させることにより得られる低分子量コポリエステルは、エステル結合を切断する酵素(例、エステラーゼ)の作用によって容易に分解する。このコポリエステルに放射線照射をおこない酵素による分解作用の影響を検討した。コポリ(CL/VL、53/47mol-%)は低い結晶性・低いTgのためペースト状からなる。このコポリエステルは照射によってゴム状ポリマーになる。この場合、酵素分解は照射によって抑制される傾向を示した。これは、ポリマー鎖の間(特にメチレンブロッグ)でゆるやかな架橋がおこるためと考えられる。
今坂 一道*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 山中 英寿*; 永井 恒司*
Int. J. Pharm., 68, p.87 - 95, 1991/00
ワックス状生分解性コポリエステルを無触媒下において、-カプロラクトン(CL)と-バレロラクトン(VL)の直接脱水縮合によって合成した。コポリエステルはホモポリマーよりも加水分解を受けやすい。この場合、分解は、エステラーゼ酵素作用によって著しく加速される。前立腺癌治療薬のひとつであるエストラマスチンをコポリ(CL/VL、92/8mol%)中に圧融着法によって分子分散させ、針状に成形加工した。この複合体針からの薬物のin vivo放出速度は、実験期間(最大20週)を通して一定であった。これはポリマーの分解が律速のためと考えられる。
今坂 一道*; 永井 恒司*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔
Makromol. Chem., 192, p.1067 - 1072, 1991/00
-カプロラクトン(CL)と-バレロラクトン(VL)の重縮合をリン酸の存在もしくは不存在下でおこなった。これは、ラクトンの開環反応とその反応によって生ずる直鎖化合物の重縮合の競争反応性を解明するためである。リン酸の存在もしくは不存在下で重縮合させることによって得られたポリ(CL-CO-VL)の重量平均分子量(Mw)は540もしくは8900であった。リン酸の存在は開環速度ばかりでなく、縮合速度も同時に加速することが実験によって確かめられた。このコポリエステルのin vivo分解はリパーゼ酵素作用によって調べた。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 饗庭 喜和*; 熊倉 稔
European Polymer Journal, 26(4), p.457 - 461, 1990/00
被引用回数:28 パーセンタイル:76.25(Polymer Science)相対的に低い分子量をもつglycolic acid(GA)と種々のlactone、例えば-butyrolactone(BL)、-valerolactone(VL)、そして-caprolactone(CL)、のコポリマーをN雰囲気下200Cの温度、無触媒下で合成した。この反応は直鎖GAと環状lactoneの加木分解によって生成する直鎖-hydroxy acidとの間の直接脱水縮合によって特徴ずけられる。この場合、直鎖-hydroxy acidは、各々環状BLが4-hydroxybutyric acid(HBA)、環状VLが5-hydroxyvaleric acid(HVA)、そして環状CLが6-hydroxycaproic acid(HCA)に対応する。H-NMRの結果から、GAとHVAもしくはHBAの反応が定量的に進行するのに対し、HBAとのそれは非常に低い反応性しか示さないことが分かった。
今坂 一道*; 永井 恒司*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔
European Polymer Journal, 26(8), p.831 - 836, 1990/00
被引用回数:18 パーセンタイル:65.42(Polymer Science)無触媒での直接脱水重縮合によって得られる-カプロラクトン(CL)と-バレロラクトン(VL)のホモポリマーはワックス状の形態からなる。このワックスは低いガラス転移温度(T)、高い結晶性、そして比較的高い融点(室温付近で溶融しない)をもつことを特徴とする。この反応は環状ラクトン(CLおよびVL)の加水分解生成物である鎖状モノマー(6-ヒドロキシカプロン酸および5-ヒドロキシ吉草酸)の縮合によって進む。共重合系の場合、ポリマーの形態は著しく変化し、結果的に50mol-%CL組成付近においてペースト状になった。これは低いTg、低い結晶性、そして室温付近での溶融性に起因している。この原因を結晶性(X線回折、DSC)、共重合性(H-NMR、C-NMR)、そして分子量(GPC)の観点から検討したところ、シーケンス効果によることが明らかとなった。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Journal of Controlled Release, 10, p.293 - 303, 1989/00
Mn=1500-2600のCopoly(L-lactic acid/-valerolactone)(copoly(LA/VL))をDDSのための生分解性担体として用いるため、無触媒下で直接脱水縮合によって合成した。LA組成を関数として、固体状(100-80mol-%LA)、ペースト状(70-30mol%LA)、そしてワックス状(15-0mol-%LA)ポリマーを得た。Rhizopus delemer lipaseは最も高い分解活性を示した。この場合、ペースト状ポリマーの分解速度は、固体、ワックス状ポリマーのそれより著るしく速い。estradiol-17のnitrogen mustard誘導体であるestramustineをMn=2500をもつcopoly(LA/VL、70/30mol-%)(ペーストポリマー)の中に均一分散固定した。この系は、in vivo実験系において、埋入から5週目で完全分解消失する。rat prostateにおよぼす薬理作用は、5週の期間にわたって観察された。